安定的に農産物を供給するには、どうしても同じほ場で同じ作物を作り続けることが必要であるが、この時に起こってくるのが、連作障害であり、現在の技術を持ってしても避けることのできない問題として生産現場を悩ませている。

◆連作障害はなぜ起こるのか?

農薬の予防散布で防除の効率化を同一のほ場に同一の作物を作付し続けることで、その同一の作物を好む土壌病原菌や土壌害虫が選択的に大量に増殖することによって起こる。つまり、土壌病害虫にとって好物の餌が供給され続ける快適な環境が続くため、他の土壌微生物や昆虫たちよりも土壌病害虫が優占化してしまうのである。
 これを防ぐためには、科が異なる作物を作付する輪作が効果的であるが、輪作は2~3年以上といった一定期間続けて行わないと効果が出ない。そのため、輪作だけでは必要な生産量を確保できないため仕方なく連作をしている。

■土壌消毒による連作障害の回避

 連作障害は、その原因となっている病害虫を防除することで回避できる。その方法として一般的なのが土壌消毒である。

■土壌消毒剤による消毒よる疑問

根こぶ病による被害に、効果の安定性やコスト面から考えて、現在の技術で最も一般的なのが土壌消毒剤の使用による土壌消毒である。通常さつまいもを栽培する場合、クロールピクリン、ドジョウピクリンなど揮発性の液体を土壌に注入することで効果を発揮するが、作業時は激しい刺激臭がするので、使用時は、防毒マスク、保護メガネ、ゴム手袋など保護具の着用が必須である。健康によくないものが・・・。

■自然との戦い

健康な土壌とは、自然の循環を大切にし、土と土中の生物のはたらきを引き出すことでうまれる栄養バランスがとれた土のこと。そんな健康な土にはたくさんの微生物や虫などが住み、生物の多様性があります。それを根絶やしにし、作物の見ばえをよくしたり、効率的な収穫をするための「土壌燻蒸剤」の使用を辞めました。

■土は人間と同じ

「食」とは「人」を「良く」すると書きます。元気な土には、元気な草も生え、豊かな土壌をつくってくれる微生物が息づいています。ムダな雑草は手間ひまかかっても手や機械でとりのぞきます。その手間を省くために、安易な除草剤で根絶やしにしてしまっては食べものの安全性はもちろん、環境にも悪影響が大きいからです。

■一歩一歩前進!

 米ぬかは土壌改良によく利用されますが、センチュウも大好物のため、ほしいもの中に髪の毛のような跡が・・・。改善対策を検討中。父・圷正が昭和の初期に、山林を開拓し農業を始めました。 開墾した畑で苗木を栽培するようになり、北海道から鹿児島まで全国各地に苗の供給をしていましたが、一方で良質な土は苗木の根について出て行ってしまいます。そこで、牛を飼い堆肥をつくり、こつこつと土づくりに励んでいましたので、私も頑張ります。

【現在使用しているもの】

■竹パウダー

竹パウダーを土に混ぜたり、土の表面に撒いたりすることで土中のバクテリアを増やし、肥料や堆肥の分解が促進され、植物が栄養分を吸収しやすくなります。

■コーヒー殻

コーヒー殻には、タンニンという植物フェノール類が含まれ、病害菌であるセンチュウやヨトウムシを寄せ付けない。

■酢

殺菌能力に優れる。また、酢を散布すると、葉の細胞が強く硬くなって活力がつき、病害虫に強くなる。 さらに、土中に染み込むと、根が太るため、養分の吸い上げがよくなり、活力がつくという。

■籾殻くん炭

籾殻くん炭の無数の微細な穴が通気性と排水性などを改善するとそのぶん微生物が住みやすい環境に変化します。植物によい影響を与える菌を土壌菌と呼びますが、その土壌菌が増えることで前述したようにいろいろな成分が分解されて植物の栄養になります。